長い時間の後にその門を二人でくぐった それは試練というか試験というか とにかく儀式めいていた

九月色したボトルのお酒に あなたへの想いを溶かして その薫りを味わってみる

くすんだ角質より 拭い去りたい 過去がある

だって もう であっちゃったもん

無いのは 出会いじゃなくて 魅力

手のひらのJALと入ったナイフ見て飛ばす心は空のかなたへ

すくわれて 何故あたしなのと 問う金魚

狙って 決めて 一発で

戦わないハブと マングースを見て 日本人の牙を思う

久々に抱いたギターのエーマイナー少し狂って少し狂って

いつもちょっとだけ 酸素が足りない 金魚みたいに

恋ひ恋ひて鳴らぬ携帯逆に折り別れたるさま恋忘れ貝

君はまだ気がついていないけれど 君が待っていたのは 僕なんだよ

人生は過酷だけれども スタートの次のマスがゴールの人生ゲームは やはり楽しめないと思うんだ

「泣いたの？」 「泣いた」 その涙は最後にしよう、な。

飛んでく飛行機を見る どれに乗ってるかわからないから 全部の飛行機の無事を祈る

ねえ知らないの？ それはいずれ全身にまわって死に至るんだよ 傍観者病は

「最近物忘れが激しくて。年取るっていやあね」 僕以外の男のことを全部忘れちゃうなら それもいいかなって

あなたの本気を 量るはかりが あったなら

あなたと一緒なら 何も怖くない って事が少し怖い

自分の不幸を楽しげに話す人を見ると 少しうらやましい 自分にはなにかが足りない

彼は熱心に あたしにお酒の飲み方を教えてくれた おかげで一人になってからも寂しくない

あたしより先に あまあまに甘えてる あたしの声

振り回してしまうのは忍びない けれどもう 振り回されるのは

知らなければ良かった事ほど 忘れるのは 難しい

久々に金魚に餌をやった 私の恋と一緒に こいつも殺すところだった

二人で もぐもぐ 朝ごはん

美しい生き方なんてできなくて地を這うように春夏秋冬

お勧めと言われた料理前にしてもう進めない話をされる

好きな色じゃなくて 似合う色を 探してみる